動物病院経営パートナーEn-Jin ブログ
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【シリーズ 動物病院のワークライフバランス】第7回 動物病院が知っておきたい補助金・助成金
カテゴリ: ブログで動物病院経営セミナー(ウチ向きの課題)
<前回までのおさらい>
先日よりお送りしている
【シリーズ 動物病院のワークライフバランス】。
今回は補助金や助成金について書きたいと思います。
先日のブログでも触れた通り
人の医療の世界では国や自治体、医師会、看護協会
などが一体となって医療従事者のワークライフバランスを
改善すべく動き始めています。
そしてその一環として、
病院のワークライフバランスを改善すると
お金がもらえるような制度も整えられてきています。
(例:補助職を導入すると診療報酬が加算されるなど)
一方で動物病院業界では
まだまだそのような動きは見られず、
残念ながら政治的な優先順位からしても
一朝一夕に動物病院のワークライフバランス改善のための
補助金などが制度化されることは現実的でないかもしれません。
では補助金や助成金というものは、
動物病院にとっては無縁なものなのでしょうか?
答えはNOです!
「動物病院のための」というわけではないですが、
企業(特に中小企業)向けの補助金や助成金などは、
国(経産省や厚労省)や自治体などが予算を確保して
毎年たくさん実施しています。
しかしその手続きの煩雑さや情報収集の億劫さなどから、
申請すらしていないという企業が圧倒的に多いのです。
今回はそのような補助金や助成金を
いくつか紹介したいと思います。
関連するサイトのリンクなども紹介しますので、
ぜひ一度見てみてください。
またこのブログでは制度の概要を簡潔に紹介します。
申請等にあたっては必ず管轄する各団体等のHP等
で詳細の内容をご確認ください。
なお、補助金・助成金は国や自治体の事業ですので、
予算等により毎年変更されます。
今回紹介するものの中にはすでに今年度の申込を
締め切っているものもありますが、
次年度以降の参考情報として紹介いたします。
<1.キャリアアップ助成金>
【概要】
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者
といったいわゆる非正規雇用労働者の
企業内のキャリアアップ等を促進するため、
正社員化、人材育成、処遇改善の
取組を実施した事業主に対して助成します。
【支給対象となる取り組み】
・有期契約労働者を正社員に転換した場合
(正社員化コース)
・有期契約労働者に職業訓練等を実施した場合
(人材育成コース)
・有期契約労働者の処遇を改善した場合
(処遇改善コース)
【支給額】
例:
正社員化コースで有期雇用を正規雇用に転換した場合
1人当たり60万円
【管轄部署・申し込み方法】
都道府県労働局・ハローワーク
- (1)キャリアアップ管理者の配置
- (2)キャリアアップ計画の作成
- (3)訓練計画書の作成
- (4)支給申請書の提出
厚生労働省解説ページ
厚生労働省『キャリアアップ助成金パンフレット』
<2.キャリア形成促進助成金>
【概要】
企業内における労働者のキャリア形成の
効果的な促進のため、雇用する労働者に対して、
計画に沿った職業訓練及び制度の導入・適用を行う
事業主等に対して訓練に要した経費と
訓練期間中の賃金の一部を助成するもの。
また、企業内の人材育成に関する制度を
導入・実施した際にも助成をします。
【支給対象となる取り組み】
(1)労働者に対する職業訓練
(2)職業能力を評価する制度の作成
その他様々なコースがあります。
【支給額】
(1)職業訓練の経費の一定割合
(1/2や2/3などコースによって異なる)
(2)職業訓練中の賃金、時給800円
(3)評価制度等導入の場合は50万円
【管轄部署・申し込み方法】
都道府県労働局・ハローワーク
(1)事業内職業能力開発計画及び
これに基づく年間職業能力開発計画
または制度導入・適用計画等を提出
(2)訓練や制度導入を実施
(3)助成金支給申請⇒支給か不支給かが決まる
厚生労働省解説ページ
厚生労働省『キャリア形成促進助成金パンフレット』
<3.職場意識改善助成金(職場環境改善コース)>
(今年度の申込は締め切られています。)
【概要】
年次有給休暇の取得促進、所定外労働の削減、
その他労働時間等の設定の改善に取り組んだ際に
その実施に要した費用の一部を助成するもの。
【対象】
労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数が
13日以下又は月間平均所定外労働時間数が
10時間以上であり、
労働時間等の設定の改善に積極的に取り組む
意欲がある中小企業事業主
【支給対象となる取り組み】
- ・労務管理担当者に対する研修
- ・労働者に対する研修、周知・啓発
- ・外部専門家によるコンサルティング
- ・就業規則・労使協定等の作成・変更
- ・労務管理用ソフトウェア等の導入
など
【成果目標】
(1)年次有給休暇の取得促進について、
労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数
を4日以上増加させること。
(2)所定外労働の削減について、
労働者の月間平均所定外労働時間数
を5時間以上削減させること。
【支給額】
上記成果目標の達成状況に応じて、
最大100万円を支給。
【管轄部署・申し込み方法】
都道府県労働局雇用環境・均等部(室)
※平成28年度の申込は終了しました。
次年度以降の実施に要注目です。
厚生労働省解説ページ
<申請にあたってのポイント>
◆専門家や管轄部署に遠慮なく相談を
上記で紹介した各助成金の概要を見て
どのように感じられましたか?
「ややこしそう!」「めんどくさそう!」
と感じたのではないでしょうか?
私も自分で書いておきながらそう思います(笑)
動物病院を含めて、
中小企業がなかなか助成金や補助金を活用できていない
大きな理由のひとつがその手続きの煩雑さです。
不正受給などを防ぐためなので仕方ないのですが、
計画書や添付書類、支給申請書などの提出などを
動物病院の院長先生が全ておひとりでされる
というのは、かなりハードルが高いことだと思います。
なので、各種助成金や補助金の申請にあたっては
税理士・社労士・中小企業診断士などの専門家
の力を借りることを受けることをお勧めしています。
着手金と成功報酬を払えば、書類の作成のサポート
まで手厚くしてくれる専門家もたくさんいます。
(専門家としても助成金は成果がわかりやすいので
サービスとして提供しやすいんですね。)
また各助成金の管轄部署にも遠慮なく問い合わせてください。
労働局などなじみがない方も多いと思いますが、
基本的には管轄部署はせっかく予算をとっているのですから、
「助成金を活用してほしい」という立場ですし、
企業のための施策や窓口は使わなければ損です。
◆「補助金・助成金ありき」にならないよう注意
注意していただきたいのが、
補助金や助成金をもらいたいがために
無理やり人を雇ったり、制度を作ったりすること
のないようにすることです。
補助金・助成金ありきで行った施策は
結果的に失敗したり、形骸化することが多いです。
また計画を実行してから、支給・不支給の判断が
される助成金も多いため、本当にやるつもりがなければ
結果的に「不支給」と判断されてしまい、
申請にかけた手間が無駄になってしまいます。
本当に雇う必要がある人なのか、
本当に導入する必要がある制度なのか、
よく考えて実行していただければと思います。
<おすすめ関連書籍・参考リンク>
『社長! 会社の資金調達に補助金・助成金を活用しませんか! ? 』
小泉 昇
補助金や助成金の紹介のみならず、
申請のポイントなどもコンパクトに書かれています。
支給申請を検討されているなら
一読して損はないと思います。
『平成28年度 中小企業施策ガイドブック』
中小企業庁
中小企業向けの施策が紹介されているガイドブック。
補助金や助成金以外にも載っています。
リンク先からPDFが無料ダウンロードできます。
次回のブログでは
最近話題のメンタルヘルスについて書きます。
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