昨日、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が全国で解除されました。
まだまだ油断は禁物ですが、少し事態が好転してきたといえるでしょう。


ここで大切なのはこれから先のこと、いわゆる
「コロナ以後(アフターコロナ)」について考えていくことです。

報道等でも触れられている通り、
おそらく今後新型コロナウイルスの感染拡大が収束したとしても
人々の衛生観念や社会常識が「コロナ以前」に戻ることはありません。
常識やマナーは「コロナ以前」と「コロナ以後」で大きく変わり
「新しい生活様式」が定着していくことになるでしょう。
しかもグローバルな規模でです。

そしてそれは動物病院にとっても例外ではありません。

アフターコロナの世界では、
動物病院に求められるものも変わっていくことが予想されます。

・今後コロナが収束し、ワクチンが普及したとしても
かつてのようなぎゅうぎゅうに混みあった「3密」の待合室に
戻りたいという人はもうほとんどいないでしょう。

・応急処置だった受付のビニールカーテンやアクリル板の仕切りは
今後常識になっていくかもしれません。

・コロナ対策で一時的に予約制やドライブスルー(駐車場で診察や会計をする)
を導入したが、好評なのでコロナ後もそのまま継続するという病院も多いようです。

・狂犬病の集合注射のあり方も見直されるかもしれません。

・セミナーや勉強会はZoomなどオンラインでの実施が増えていくでしょう。
(既に私にも獣医学生の団体からオンラインセミナーの講師の依頼がきています)

・オンライン診療・オンライン問診などの技術革新や法整備も進むかもしれません。

・キャッシュレス化にとってコロナは追い風になりましたし
スーパーやクリニックなどで既に普及しているセルフレジは
動物病院にも普及していくでしょう。

・動物病院を取り巻く業者などの勢力図も変わるかもしれません。
例えばオンライン診療等の分野に大きな市場があるとなれば
電子カルテや顧客管理ソフト等も含めてより多くの業者が参入したり、
大きな資本を持つ大企業の参入などがあるかもしれません。
どんどん新たなサービスやシステムが開発されるでしょう。

・求人・採用の面接でも対面以外での手法が定着するかもしれません。

・今後の景気の悪化によりペット飼育への意向が変化する可能性はあります。
新患が減少したり、お金のかからない治療を選択する方が増えるかもしれません。

・一方で一部報道では、昨今の「ステイホーム」の影響で、
ペットの購入や愛護団体からの譲渡が増えているという情報もあります。
本当に「ペットブーム」のようなことが起きているのか、
だとしたら事態収束後に無責任な人がペットを捨てるような
悲しい出来事が起きてしまわないか…
これは今後の動向への注視が必要だと思います。

私がざっと考えただけでもこのような予想ができます。
そしてきっと誰にも予想できないような変化もたくさん起こるでしょう。