動物病院経営パートナーEn-Jin ブログ
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動物病院のための節税対策基礎講座
カテゴリ: ブログで動物病院経営セミナー(ウチ向きの課題)
動物病院の院長先生とお話をしている中で、
「節税」についての話題になることがよくあります。
節税というと本来税理士や公認会計士の先生方の守備範囲であり、
私のようなコンサルタントが節税についてのアドバイスをするという
イメージはあまり一般的ではないかもしれませんが、
少しでも経営のお役に立てればということで、
基本的な節税対策などについてアドバイスを
させていただく機会も決して少なくありません。
今回はその中のいくつかを紹介したいと思います。
※税務の詳細については必ず顧問の税理士、会計士の先生の
ご意見ご判断を仰いでいただきますよう、お願い致します。
1.出張旅費規程を使った節税
院長先生やスタッフが学会等で出張する際、
その費用はどのように精算していますか?
実際にかかった金額を領収書で提出してその金額を精算する、
いわゆる「実費精算」を採用されているケースが多いと思いますが、
これを「出張日当」の精算に切り替えることで、節税することができます。
例えば出張旅費規程で
「院長が宿泊を伴う出張をする場合は15000円の宿泊日当を支給する」
と定めておくとします。
すると宿泊出張時に仮に実際にかかった宿泊費が10000円だったとしても
宿泊日当として15000円を院長に支給することができ
その全額が損金として認められるのです。
しかもこの15000円は所得税法上の給与とはなりませんので、
院長先生個人の所得税が増えることはありません。
要は、会社としては実際には10000円しか出費していないのに
15000円を費用計上することで法人税を減らすことができ、
院長個人としては差額の5000円分支給額が増え、
所得税も増えないということを実現できるのです。
ただし、日当を院長先生だけに支給し、スタッフの出張時は1円も出さない
というような出張旅費規程は認められません(金額に差をつけるのはOK)。
したがってスタッフの出張が非常に多い病院などでは、日当による費用増
にもつながりますので、実費精算か日当精算のどちらを導入するかは
顧問税理士の先生とよく相談されることをお勧めします。
また上記の例では「15000円」とした宿泊日当を、
例えば「10万円」にすればもっと節税できるではないかと
考えたくなりますが、そういうわけにはいきません。
日当の金額については
あくまでも「社会通念上、必要と認められる範囲」という条件があります。
具体的な金額等については顧問税理士の先生と相談ください。
この出張旅費規程を使った節税策は出張の多い企業では
しばしば使われるメジャーなものです。
「出張旅費規程 節税」などのキーワードで検索すれば、
もっと詳しく書かれたサイトや規程のひな形なども出てきますので、
ぜひ一度目を通してみてください。
2.経営セーフティ共済を使った節税
「経営セーフティ共済」(中小企業倒産防止共済)という制度をご存知でしょうか。
この制度は独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営するもので、
①共済の掛け金は全額損金算入
②掛金総額は800万円まで。掛金月額は5000円から20万円まで。
③40カ月以上払い込むと解約手当金で100%返金される(元本保証)。
などの特徴があります。
(他にも業績不振の場合に一時貸付金として
貸し付けを受けられるなどのメリットがあります。)
なんといっても、①の共済の掛け金は全額損金算入というのが大きいです。
いわば、企業としての内部留保を損金として計上できるような感覚です。
また掛金の変更や翌年分の掛金の前納もできますので、
決算間近になって想定以上に利益が出そうな見込みが立てば
掛金を増額したり、翌年の掛金を前納することで損金を計上し、
利益を圧縮することができ、大きな節税効果があります。
ただし将来共済を解約するときにもらえる解約手当金は益金となりますので
退職金を計上したり業績が悪化するなどして赤字になったタイミングで解約し
利益を相殺するのがおすすめです。
詳細については中小機構のホームページをご覧ください。
中小機構:経営セーフティ共済について
3.<番外編>小規模企業共済を使った節税
最後は番外編です。
これは動物病院(企業)の節税ではなく、
経営者である院長先生個人の節税のお話です。
小規模企業共済は「経営者にも退職金を!」という
キャッチコピーがつけられた共済制度で、
その名の通り小規模な企業の経営者、個人事業主が
加入できるものです。
毎月の掛金(最大68000円)が全額所得控除されるため、
その分所得税の節税につながります。
理屈としては前段で紹介した経営セーフティ共済と似ており、
「損金を使って退職金を積み立てることができる」という制度です。
解約時にもらえるお金が益金となるため、退職金等と相殺した
方がよいという点についても経営セーフティ共済と同様です。
詳しい加入資格や解約の条件などについては
中小機構のHPをご覧ください。
中小機構:小規模企業共済について
以上、今回は動物病院が利用できる簡単な節税対策を紹介しました。
ただし「節税」に躍起になりすぎて必要のないものを購入したり
関心のないサービスを受けたりということは
かえって事業にとってマイナスになることもあり本末転倒です。
顧問の税理士先生、会計士先生とよく相談し、
それぞれの病院にあった形で節税に取り組んでいただければと思います。
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動物病院経営パートナー En-Jin 企業理念
1.院長先生の想いを推進する「エンジン」に
ノウハウや理屈を教えるだけではなく実務を推進。
「やりたいこと」を形にします。
2.動物病院のメンバーが「円陣」を組めるように
病院全体がイキイキと同じ方向に進めるよう、
スタッフマネジメントをサポートします。
3.動物病院に多くの出会いをもたらす「縁人」に
飼主様・スタッフ・外部専門家などとのご縁をつなぐ
架け橋になります。
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