2017年も早くも半月が過ぎました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。

お正月の風物詩の「箱根駅伝」を私もよく見るのですが、
今年も青山学院大学が優勝し、三連覇をなしとげました。

 

つい先日、ジャーナリストの江川紹子氏が
青山学院大学の原晋監督にインタビューを
している記事を見ました。

その中で私が深く共感したのが、

僕は今、ライバルは早稲田でもなく、
陸上界のどこのチームでもないと思っています。
ターゲットは野球界やサッカー界。
このままだと、元気のいい身体能力が高い子は、
みんなサッカーや野球に流れてしまう。
そうなると、陸上の競技人口は減り、競技レベルも下がる。」

パイを奪い合うんじゃなく、パイを広げればいいんです。

という原監督の言葉です。

 

原監督や青山学院の選手たちは
テレビ番組などにも積極的に出演し
そのことが批判を浴びたこともありましたが、
上記の原監督のコメントを見ると
その意図がよくわかる気がしました。

 

動物病院業界やペット業界にも
同じことが言えます。

以前のブログなどでも何度も同じことを書いていますが

動物病院のライバルは今や「隣の動物病院」ではなく、
どんどん多様化する、他の娯楽やレジャーです。

ペットを飼うということに代わって、
他のものに楽しみや癒しを求め、
お金を使う人が増えた結果として、
少しずつ、しかし着実に
「ペット離れ」が進んでいるのだと思います。

例えばかつてはクリスマスプレゼントに
ペットをねだっていた年代の子どもたちが
今ではゲームやスマホをねだっています。

かつてはペット業界での就職を目指した専門学生が
今ではITの世界や人医療の世界を目指します。

動物病院は生体販売業者とは
一定の距離をとっていることが多いため、
どうしても「パイを増やす(ペットの飼育頭数を増やす)」
ということについては無頓着になりがちです。

そして、ペット飼育頭数が減り
動物病院数が増える中で、
「少ないパイの奪い合いに勝たなければ!」
というモードになってしまいます。

しかし直接生体販売に関わる以外にも
ボランティア団体と組んで譲渡会をしたり
ミルクボランティアの企画をするなど
「パイを増やす」ための活動に
動物病院が取り組む方法はたくさんあります。

なにより、
「動物を飼う」ということの専門家である獣医師が
ペットを飼うことの喜びや尊さ、大変さなどを
世間に発信していく活動に関わることは
ごくごく自然なことであり、素晴らしいことだと思うのです。

「パイを増やす」という言い方をすると
なんだか商売っ気が強くていやらしく聞こえるかもしれませんが、
ペットを飼うことの素晴らしさを世間に伝えるために
動物病院ができることを探してみてはいかがでしょうか?

このブログのタイトルである
「あなたの動物病院のライバルは誰ですか?」。
最初に思い浮かんだのが近くの動物病院だったとしたら
少し視野が狭くなってしまっているのかもしれません。

年の初めにぜひ一度考えてみてくださいね。

 

<リンク・参考書籍等>

青山学院大学 原晋監督のインタビュー記事

 







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