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【シリーズ 動物病院のワークライフバランス】第6回 動物病院の人事評価制度


  • カテゴリ:ブログで動物病院経営セミナー(ウチ向きの課題)

<前回までのおさらい>


先日からお送りしている
【シリーズ】動物病院のワークライフバランス。
前回まで、ワークライフバランスの重要性や
実際に動物病院でワークライフバランス改善を
進める際のステップ等について書いてきました。

今回は動物病院のワークライフバランスを改善するうえで
重要となる「人事評価制度」について書きたいと思います。

 

<人事評価制度ってどうして必要なの?>


私自身、前職のサスティナコンサルティング在職時に
人事評価制度作成のプロジェクトを起ち上げ
多くの動物病院の人事評価制度作成に携わらせていただく中で
動物病院における人事評価制度作成のニーズの高まりを
肌で実感してきました。

そもそも人事評価制度ってどうして必要なのでしょうか?

動物病院のスタッフさんのお話を
直接聞く機会が多いのですが、
その中で不満として挙がることが多いのが、

「自分がどう評価されているかよくわからない」

「自分の何が良くて何が悪いのかをちゃんと聞きたい」

という意見です。

「お金や休みがあればそれで満足だ」

というスタッフは実際には少なく、
自分がどう評価されているかを知りたい
と考えるのは人として当然の欲求(承認欲求)
だと思います。

人事評価制度は
それを満たすためのものでもあるのです。

「人事評価制度」と聞くと、
なんだか大袈裟な感じを受ける方もいると思いますし、
なかには、「人に点数をつけるみたいで抵抗がある」と
お考えの方もいると思いますが、
  • ・病院の方向性をスタッフに示すためのもの
  • ・スタッフに評価をフィードバックするためのもの
  • ・主観的になりがちな評価を少しでも客観的にするもの
  • ・昇進や昇給を公平に行うためのもの

と、目的を整理すると頭がクリアになると思います。

そして上記の目的を満たすものであれば、
評価項目数が何十項目もあったり、
複雑な昇格体系があるような
「かっこいい」人事評価制度である必要は
まったくありません。

 

そのような人事評価制度の目的を整理したうえで、
今回のブログでは、
私が過去に作成をお手伝いした実例なども紹介しながら
人事評価制度の導入について考えてみたいと思います。
(実例は個人情報保護等のため一部改変しています)

 

<人事評価制度ってどんなもの?>


人事評価制度

 

「人事評価制度」というと、
各スタッフに点数をつけるような制度を
思い浮かべる方も多いと思います。

それももちろん人事評価制度の一部なのですが、
人事評価制度はそれだけではありません。

上述の「点数をつける」という部分は、

・「評価制度」

といい、そこに

・「昇進昇格制度」

・「賃金制度」

が加わってそれぞれが相互に関連したものを
「人事評価制度」と呼ぶのが一般的です。

 

・評価制度⇒スタッフをどんな項目によって評価するか
病院としての方針を示す意味合いもある

・昇進昇格制度⇒役職やその要件(どんな人がその等級になるか)
役職や等級による責任と権限を明確にするために作る

・賃金制度⇒評価や役職に応じてどのように賃金や手当を支払うか
評価や昇進昇格を賃金や手当に反映させる

 

<評価制度とは>


人事評価制度の中で、最もイメージしやすいのが
この「評価制度(評価項目)」の部分だと思います。

評価制度1

 

このように各スタッフを評価する項目を設定し、
定期的に評価(点数付け)を実施します。

 

項目数や項目内容は病院によって様々ですし、
職種ごとに評価項目を変えたり、
点数のウエイトづけを変える場合もあります。

また「仕事の質」とか「効率性」などと
項目名を決めるだけでは
スタッフは具体的にどのように頑張ればいいか
わかりませんので、各項目について
具体的な評価基準を設定することが必要です。

評価制度2

 

この評価基準ももちろん動物病院によって様々です。

この評価基準をつくる作業は
まさに病院が何を大切にしているか
何をスタッフに求めているかを
明文化する作業にほかなりません。

 

下記の目的を再認識しながら
院長先生ご自身のお考えを
評価制度に落とし込んでいくことが大切です。

 

・病院が求めていることをスタッフに明示し、
スタッフが目指す方向を統一する。

・定期的に評価をフィードバックすることで
各スタッフの成長を促し、モチベーションアップにもつなげる。

・評価結果を昇進や昇給と連動させることで
貢献度の高い人が報われる公平な仕組みをつくる。
(「昇給して当たり前」「ボーナスもらえて当たり前」
という意識を排除する)

 

作成のポイントとしては、難しく考えず、
日々スタッフに口酸っぱく言っていることや
ご自身が獣医師として大切にされていることを
表現すれば納得いくものに近づくと思います。

また評価項目を作るのがゴールではなくて、
それを使って実際にスタッフを評価することが
大切ですので、あまり複雑にしないことを
おすすめしています。

項目数が多すぎたり、ルールが複雑すぎると
結局評価すること自体が面倒になってしまい
使わなくなってしまうということもあるので注意しましょう。

 

<昇進昇格制度とは>


昇進昇格制度

このように役職や等級ごとに、
要件を定めていくことで昇進昇格制度が完成します。

上図はシンプルな例ですが、
各職名ごとの責任や権限を細かく決定する場合もあります。

評価の高いスタッフが
役職的にも昇格して責任と権限を与えられ
その病院のスタッフとしてのモデルケース
になるということを目的としています。

昇進昇格制度が整えば、
スタッフごとの立場に応じて期待することを
より明確に伝えられますし、
スタッフも将来のビジョンを描きやすくなります。

 

<賃金制度>


最後は賃金制度です。

賃金制度はどの立場の人がどれくらい賃金をもらえるか、
ということを定めたルールです。

1年ごとになんとなく昇給させている
という動物病院も多いと思いますが、
それだと「昇給して当たり前」という
意識になり、成長が止まってしまいがちです。

下記は賃金制度の一例ですが、
役職が上がるのに連動して賃金が上がる
という仕組みを取っています。

定期昇給・年齢昇給的な要素と、
成果昇給的な要素のバランスをとりながら
作成していくこととなりますが、
プロフェッショナル的要素が強い
動物病院という職場では
成果昇給的な要素を高めに設定した方が
実態にマッチすることが多いです。

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賃金制度1

 

もっと複雑な号俸表を作成したりするケースもありますが、
こちらも作成後にちゃんと運用していけるよう
できるだけシンプルなわかりやすい制度にすることを
おすすめしています。

また、人件費として使える金額には限界がありますので
将来の昇給をシミュレーションしながら、
現実的に支払える昇給額を探していくことも大切です。

 

<「できることから」という姿勢で>


ここまで、評価制度、昇進昇格制度、賃金制度
について解説してきましたが、
これにより、狙っているのは
スタッフの心が以下のように動くことです。

「役職が上がるとこんなに給料が上がるのか。
主任は手当もつくんだ。よし!頑張って上の役職に上がろう」



「主任獣医師に昇格するためには昇格制度の要件
を満たさなければならないな。認定医の勉強も頑張って、
飼主様とのコミュニケーションも大切にしよう。」



「昇格のためには当然評価も高くないといけない。
うちの病院の評価項目は…。なるほど後輩指導も
評価基準なのか。もう少し頑張ってみるか。」

このように病院から何を求められていて、
それに答えるとどういうメリットがあるかということが
明確になることにより、
モチベーションにつながり
より病院が求めるスタッフへと成長してくれる
ことを意図しています。

 

またこれは「逆転の発想」のお話ですが、
人事評価制度を導入するもう一つのメリットとして
病院の方向性とは合わない人と
上手にお別れをしやすくなる、という点があります。

たとえば、このブログで紹介したような
人事評価制度を運用している動物病院に

「自分はただ動物と触れ合っていたいから
飼主様対応はできるだけしたくない」

という動物看護師がいたとします。

 

その看護師さんは評価も低くなり、
昇格もできなくなり、結果として
待遇もあまりよくなりません。

そこでその看護師さんが
「この病院は合わない」と判断して
病院を去るのであれば、
それはそれで一つのミスマッチがなくなるわけですので、
お互いにとってよいことだと言っていいと思います。
(もちろんこの看護師さんが仕事と向き合い
飼主様対応を頑張ってくれるようになればベストなのですが)

さらに言えば、採用試験などのときに
自社の人事評価制度を見せて
病院が求めているものを伝えるケースもあります。

その時点で
「自分の考えに合っている」という人は残るでしょうし、
「こんな病院ではやってられない」という人は去るでしょう。

人事評価制度はそのようにミスマッチの解消にも
一役買うのです。

繰り返しになりますが、人事評価制度とは
  • ・病院の方向性をスタッフに示すためのもの
  • ・スタッフに評価をフィードバックするためのもの
  • ・主観的になりがちな評価を少しでも客観的にするもの
  • ・昇進や昇給を公平に行うためのもの

です。

まずは簡単なものからでも結構ですし、
最初は評価項目のみで、
昇進昇格制度や賃金制度と関連付けるのは
後回しでも全然構いませんので、
院長先生の考えをしっかりと反映した
人事評価制度を作っていかれることが、
結果としてスタッフのワークライフバランス改善に
つながると思います。

ぜひチャレンジしてみてください。

下記に関連書籍なども紹介いたしますので、ご参照ください。

 

次回以降のブログでは、
動物病院が知っておきたい補助金や助成金や
メンタルヘルスについても紹介していきます。

 

<おすすめの関連書籍>


◆山元浩二『小さな会社は人事評価制度で人を育てなさい!』

 



人事評価制度の重要性とその導入の方法について
経営者目線でコンパクトにまとめられている書籍。
法律的知識がなくても読みやすいです。

 

◆有限会社人事・労務『社員がよろこぶ会社のルール・規定集101』



労基法通りのルールだけではなく
たとえば子どもの学校行事のときに休みを取れる規定や
朝礼・終礼のルール作りなど、
書名の通り101個のアイディアが載っています。
すぐに導入できるようなものもありますし、
パラパラと見るだけでも
「こんなルールがある会社もあるんだ」という頭の体操になります。

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動物病院経営パートナー En-Jin 企業理念


1.院長先生の想いを推進する「エンジン」に
ノウハウや理屈を教えるだけではなく実務を推進。
「やりたいこと」を形にします。

2.動物病院のメンバーが「円陣」を組めるように
病院全体がイキイキと同じ方向に進めるよう、
スタッフマネジメントをサポートします。

3.動物病院に多くの出会いをもたらす「縁人」に
飼主様・スタッフ・外部専門家などとのご縁をつなぐ
架け橋になります。

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【シリーズ 動物病院のワークライフバランス】第5回 PDCAサイクルを回そう


  • カテゴリ:ブログで動物病院経営セミナー(ウチ向きの課題)

<前回までのおさらい>


先日からお送りしている
【シリーズ】動物病院のワークライフバランス。
前回は動物病院のトップが労働環境の現状を
把握するためのツールを紹介しました。

リンク先から無料でダウンロードできますので、
ぜひご活用ください。

日本医師会「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」

 

今回は「2 方針表明」以降のステップについて
簡単に解説していきたいと思います。

 

<2 方針表明>


トップが現状を把握したら次は方針表明です。

方針といっても難しく考える必要はありません。

・ワークライフバランスを改善していきたいということ

・スタッフのワークライフバランス改善は
 医療の質の改善につながり、
 動物や飼主様のためにもなるということ

・そのためにスタッフにも協力をお願いしたいということ

おおまかには以上の内容をスタッフに伝えれば十分です。

ここで大切なのは、方針の細かい内容ではなく、
「トップ自らが表明する」ということです。

これを他のスタッフや外部の専門家に丸投げすると
「院長は結局他人事なのか」
「また自分たちの仕事が増えるだけ?」
という印象を与えてしまいかねません。

「一緒に考えていくのだ」という
姿勢を示すための宣言として
責任をもってトップ自ら表明しましょう。

 

<3 チームづくり>


次にワークライフバランス改善のためのチームを作ります。

ポイントは
  • ・各職種から最低ひとりをメンバーに加えること
  • ・院長先生がチームの一員になること

プロジェクト管理のキモは責任者を決めることですので、
獣医師だけではなく、看護師やトリマーからもメンバーに
加わってもらい、その部門のワークライフバランス改善の
担当者の位置づけを明確にすることが成果につながります。

 

<4 現状分析>


先に紹介したような分析ツールを使って、
チームメンバー全員で自院の現状を把握します。

日本医師会「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」

またチームメンバーで労働環境について
各職種の困っていることを出し合って共有します。
  • ・毎日帰りが遅くなって辛い
  • ・労働なのか自己の時間なのか曖昧な時間を整理したい
  • ・無駄な作業がある

など、生の声を出し合うことが大切です。

もちろん、スタッフ全員にアンケートなどをして
定性的な分析を加えてもいいですが、
そこまで大掛かりなことができなくても構いません。

ここで大切なのは、
  • ・自院の労働環境で特に問題となっている点
  • ・その問題点に関して取り組めそうなこと

を具体的にして、
それをチームのメンバーで共有することです。

 

<5 目標設定>


現状分析の結果を踏まえて
これから取り組む目標をたてます。

どんな目標でもいいのですが、
スタッフにとって一番わかりやすい
ワークライフバランスの改善は

「労働時間の減少(=プライベートの時間の増加)」

ですので、
そこに的をしぼって目標を立てると取り組みやすいと思います。

 

また、現状分析で使った分析ツールの中で
できていなかったことを
できるようにするという目標でも構いません。
  • ・雇用契約書(労働条件通知書)を作成する
  • ・36協定を締結する
  • ・1年に1回の健康診断を導入する など

目標を立てるときには俗にいう
「SMARTの法則」
を意識すると、取り組みやすくなります。
  • S pecific    ⇒ 具体的で
  • M easurable   ⇒ 計測可能で
  • A greed upon ⇒ 達成可能で
  • R ealistic       ⇒ 現実的で
  • T imely         ⇒ 期限が明確

例えば

「2017年1月末までに、急患が無い場合には
獣医師は●時、看護師は●時までに退社することを習慣づける。」

とか

「2017年1月末までに、昼の休憩を1時間確保できるようにする。」

など。

 

当然病院の現状によって目標は変わります。
たとえば「昼休憩1時間」という例をひとつとっても、
「そんなのもともと確保できてるよ!」という病院もあれば
「そんなの確保できるわけないじゃん!」という病院もあります。

自院に合った目標を立てていただければと思います。

 

<6 ルール作成と実施>


例があった方がわかりやすいと思うので、
「2017年1月末までに、急患が無い場合には
獣医師は●時、看護師は●時までに退社することを習慣づける。」
という目標を立てたと仮定して話を進めます。

目標ができたら、
そのために何ができるか、
何をすべきかという具体的な行動を
チームで考えて、ルールにします。

たとえば

・夜の入院の処置は業務の合間を見て進め、
●時までには完了させる。

・カンファレンスは●時までに終了させる。

・トリミングは●時までに終了するように予約を調整し
それ以降は清掃業務を行う。

・どうしても残業が必要な場合は、
なんとなく全員が残るというのではなく、
残る人を明確に決め、残りの人は退社する。

・夜のトイレ清掃は、朝行うことにする。

など。

議論の過程では

「そんなの無理だ」

「そんなことをしたら売り上げが下がる」

など様々な意見が出ると思います。

その中で、目標達成のために
トライできそうなこと妥協できそうなことを
チームで見つけていくのがここでの作業となります。

ルールができたら、いよいよ全体に周知し、
実行に移していくことになります。

ここでも各職種のチームメンバーから
伝達させるだけではなく、
ミーティングなどでトップである院長先生から
明確に「お達し」を明確に行った方が
目標に向けて取り組んでいくのだというムードが高まります。

またルールを周知したら
チームメンバーを中心に日々そのルールが
守られているかを確認し、
守られていない場合は注意しあうようにしましょう。

新しいルールを導入し、
守られていないときに注意する
というのはなかなか面倒で骨が折れることです。
しかしここがワークライフバランス改善への正念場です。

チームメンバーには、責任をもって
「ルールが形骸化しないための見張り番」
の役割を果たしてもらいましょう。

 

<7 評価・改善>


病院全体で一定期間取り組んだら、
チームメンバーで振り返り、成果を確認します。

そのためにも
「2017年1月末までに」といった具合に
期限を明示しておくことが大切なのです。

期限がないとダラダラと取り組んでしまい、
振り返りをしないまま、
なんとなくルールが守られなくなっていく
という尻すぼみなプロジェクトになってしまい、

「そういえば、あれどうなったの?」

「結局何も変わらなかったね」

と、スタッフがかえってマイナスイメージを
抱いてしまうということになりかねません。

必ず、期限を区切って振り返りを行いましょう。

振り返りの中では
  • ・できたこと
  • ・できなかったこと
  • ・できなかった理由
  • ・どうすればできるようになるか

などをチームメンバーで確認します。

「カンファを●時までに終えることはほとんどできなかった。
検討する症例数を減らさないと厳しいと思う。」

「トイレ掃除を朝にしたのは問題なくできている。」

「急患時に残業する人がかたよってしまった。」

など各メンバーで意見を出し合いながら、
  • ・ルールの変更点
  • ・新たに加えるルール
  • ・廃止するルール

を決め、
再度期限を決めて、全体周知して実行します。
そしてまた振り返りを行うという流れです。

全体に周知する際には、
振り返りの内容も合わせて伝え、
できていることに関しては
しっかりと褒めることを意識しましょう。

 

<PDCAサイクル>


ここまでワークライフバランス改善を進めるための
ステップについて書いてきました。

ピンと来た方も多いと思いますが、
これこそがよく耳にする
「PDCAサイクルを回す」
ということです。

PDCAサイクル

 

ワークライフバランス改善は
このPDCAのサイクルを
いかにスピーディに
たくさん回すことができるかが
成功のカギです。

Plan(計画)⇒Do(実施)
で終わってしまうことが非常に多いので、
Check(評価)⇒Action(改善・見直し)⇒Plan(次の計画)
と進めていけるよう、
院長先生やチームメンバーを中心に
動物病院全体の士気を高め、
一丸となって取り組んでいただければと思います。

次回はワークライフバランスの中でも
「働きがい」という部分に大きな影響を与える
動物病院の評価制度や賃金制度について
書いてみたいと思います。

 

<おすすめの関連書籍>


◆井寄奈美『トラブルにならない「会社に有利な」ルールの作り方』



法律の原理原則について解説しながらも、
「人件費を抑えたい」という経営者側の現実にも寄り添っており、
経営者がさくっと読むのに適した書籍だと思います。
著者は社労士の先生です。

 

◆堀下和紀・穴井隆二・渡邉直貴・兵頭尚

『訴訟リスクを劇的にダウンさせる就業規則の考え方、作り方。』



社労士と弁護士の先生方による共著。
企業が従業員に訴えられ損害賠償などが発生した
いわゆる「負け裁判」の実例を取り上げながら、
その訴訟リスクを防ぐために何ができるかを
解説している書籍です。

残業代の問題、セクハラ・パワハラ、メンタルヘルス、
SNSトラブル、個人情報保護、研修費用、競業避止、解雇など
動物病院でも実際に相談が多いケースも多数収録されています。

<参考リンク>


日本医師会「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」

上記で触れたツールです。

労働関係法令のキモがかいつまんで
紹介されているので、ざっと読むだけでも勉強になります。

 

厚生労働省「いきいき働く医療機関サポートWeb(いきサポ)」

医療機関の勤務環境改善の事例などを参照できます。

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動物病院経営パートナー En-Jin 企業理念


1.院長先生の想いを推進する「エンジン」に
ノウハウや理屈を教えるだけではなく実務を推進。
「やりたいこと」を形にします。

2.動物病院のメンバーが「円陣」を組めるように
病院全体がイキイキと同じ方向に進めるよう、
スタッフマネジメントをサポートします。

3.動物病院に多くの出会いをもたらす「縁人」に
飼主様・スタッフ・外部専門家などとのご縁をつなぐ
架け橋になります。

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【シリーズ 動物病院のワークライフバランス】第4回 自院の現状把握


  • カテゴリ:ブログで動物病院経営セミナー(ウチ向きの課題)

<前回までのおさらい>


先日からお送りしている
【シリーズ】動物病院のワークライフバランス。
第1回~第3回では、ワークライフバランスの重要性について
人医療の世界の労務の歴史などを見ながら書いてきました。

そして前回のブログの最後では
「できることから」ワークライフバランスに着手してほしい
ということを書きました。

誤解を恐れずにいうならば、
動物病院の実態と労働関係法令とがマッチしない面は
少なからずあると私は考えています。
  • ・病院の営業時間自体が長いので労働時間を短縮するのが難しい
  • ・シフト制を組むほど人件費に余裕はない
  • ・仕事と勉強の境目が曖昧。そして勉強しないと成長できない。
  • ・困っている動物をほうっておくわけはいかない(応召義務)

などの現状を踏まえれば、たとえば

「1日8時間超えたらすべて残業!残業代は1.25をかけて…」
「カンファや勉強会もすべて業務!残業代を出しましょう。」
「労働時間を守るため、時間外の来院は追い返してください!」

と杓子定規に考えて、それをすぐに実行に移すことは
少し難しいというのが現実だと思います。

また、人の医療の世界では例えば
「補助職を雇用してスタッフの負担を軽減すれば、
もらえる診療報酬の割合が増える」など、
労働環境の改善のために国をあげて動き出していますが、
残念ながら動物病院にはそのような支援もありませんので、
補助職を雇えばそれはそのまま人件費に跳ね返りますし、
病院存続のために国や自治体が力を貸してくれるわけでもありません。

スタッフのワークライフバランスを整えるために、
病院自体が倒産してしまっては元も子もないですよね。

とはいえ、前回のブログで触れた通り、
スタッフが疲弊しているのを放置すると
人が定着しなくなり、
医療の質が低下して動物と飼主様に迷惑がかかり、
結果として経営もうまくいかなくなります。

従業員から訴えられるということも
この時代、決して他人事ではありません。

なので、ぜひ「できることから」
ワークライフバランスに着手してみましょう。

 

<ワークライフバランス改善のためのステップ>


さて、
「『できることから着手しよう』と言われても
何から着手していいかわからない!」
という院長先生も多いと思います。

そこでこのブログでは、
スタッフのワークライフバランスを改善するための
ステップの例を紹介したいと思います。

これは実際に人医療の世界で使われている手法ですので
労務上の共通点が多い動物病院でも(というかどの業界でも)
ほぼそのまま使えるものです。

 

【ワークライフバランス改善のための7ステップ】

  1. 1 トップが現状を把握する
  2. 2 方針表明
  3. 3 チームづくり
  4. 4 現状分析
  5. 5 目標設定
  6. 6 ルール作成と実施
  7. 7 評価・改善

<1.トップが現状把握をする>


現状把握とは、労働関係法令等の基準を
自院がどれだけ遵守できているかということをはじめ、
労務管理に関して、できていることとできていないことを
把握することです。

実は日本医師会のガイドラインでは
スタッフによるチームを作成して
そのチームで職場の現状を把握すると案内されているのですが、
私は、まずトップである院長先生や幹部社員など限られた人間で
現状を把握されることをお勧めしています。

というのも、現状把握の過程では、
病院の労働環境的に未整備な部分や
場合によっては法律の基準を満たしていない点、
つまりマイナス面が明らかになります。

スタッフも含めて自院の現状を把握することは
もちろんとても大切なことなのですが、
現実問題として、
それまで全く労務等について関心や知識がなかったスタッフに、
急に法律上のルールと自院の状況と照らし合わせる作業をさせてしまうと、

「うちの病院は法律を守っていなかったの!?」
「こんな病院にいて大丈夫か」
「法律通りだと、私の残業代はいくらになるの…」

と不安や不満だけを煽る結果になりがちなのです。

こうなるとワークライフバランスを整えるどころか
病院(院長)とスタッフとの間に
修復不可能な大きな溝ができてしまいます。

それを避けるためにも、
まずは院長先生や幹部社員で現状を把握し、

・どこから着手するか

・一般スタッフにはどのように周知するか

など、しっかりと戦略を練ってから
全体に展開すべきだと私は考えています。
この現状把握の段階で
顧問契約されている税理士・社労士などに
入ってもらってもいいと思います。

ではどうやって現状把握をすればいいのでしょうか。
今回は人医療の世界で使われている
分析ツールをご紹介します。

ワークライフバランス分析ツール

 

これは労働環境に関する合計35項目の
チェック項目に回答する形で
自院の労働環境の現状把握をするツールです。

日本医師会が発行している
「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」
に掲載されています。

細かい点数づけまでするのが面倒であれば、
まずは「できている」or「できていない」
を把握するだけでも十分です。

このツールはネット上に公開されており、
下記のリンクの4~22ページに解説も含めて掲載されていますので、
ダウンロードや印刷してお使いいただければと思います。
(上記画像のチェックリストは6、7ページにあります)

日本医師会「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」

 

お忙しい院長先生が、
労働関係法令のスミからスミまで学ばれることは
現実的ではありません。

かといって、院内に人事専門の部門を設けたり
社労士などの専門家を雇う余裕はないという
病院も多いと思います。

なので、労働環境についての要点をかいつまんだ
このようなフリーツールをぜひ活用いただきたいと思います。

 

少し長くなりましたので、
「2 方針表明」以降のステップについては
次回のブログで書きたいと思います。

引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。

 

<おすすめの関連書籍>


◆井寄奈美『トラブルにならない「会社に有利な」ルールの作り方』



法律の原理原則について解説しながらも、
「人件費を抑えたい」という経営者側の現実にも寄り添っており、
経営者がさくっと読むのに適した書籍だと思います。
著者は社労士の先生です。

 

◆堀下和紀・穴井隆二・渡邉直貴・兵頭尚

『訴訟リスクを劇的にダウンさせる就業規則の考え方、作り方。』



社労士と弁護士の先生方による共著。
企業が従業員に訴えられ損害賠償などが発生した
いわゆる「負け裁判」の実例を取り上げながら、
その訴訟リスクを防ぐために何ができるかを
解説している書籍です。

残業代の問題、セクハラ・パワハラ、メンタルヘルス、
SNSトラブル、個人情報保護、研修費用、競業避止、解雇など
動物病院でも実際に相談が多いケースも多数収録されています。

<参考リンク>


日本医師会「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」

上記で触れたツールです。

労働関係法令のキモがかいつまんで
紹介されているので、ざっと読むだけでも勉強になります。

 

厚生労働省「いきいき働く医療機関サポートWeb(いきサポ)」

医療機関の勤務環境改善の事例などを参照できます。

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動物病院経営パートナー En-Jin 企業理念


1.院長先生の想いを推進する「エンジン」に
ノウハウや理屈を教えるだけではなく実務を推進。
「やりたいこと」を形にします。

2.動物病院のメンバーが「円陣」を組めるように
病院全体がイキイキと同じ方向に進めるよう、
スタッフマネジメントをサポートします。

3.動物病院に多くの出会いをもたらす「縁人」に
飼主様・スタッフ・外部専門家などとのご縁をつなぐ
架け橋になります。

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【シリーズ 動物病院のワークライフバランス】第3回 人医療の労務の歴史


  • カテゴリ:ブログで動物病院経営セミナー(ウチ向きの課題)

<人の医療業界の勤務環境改善の歴史>


前回のブログでは
ワークライフバランスを整えることは
単なるスタッフの待遇改善にとどまらず
スタッフ、飼主様、病院の3者が
WIN-WIN-WINとなる「好循環」に
つながるということを書きました。

一方でワークライフバランスを軽視すると
結果として経営の悪化につながる「悪循環」
が発生するということも書きました。

そしてその「悪循環」とは
人医療の世界がすでに経験した
苦い過去でもあるのです。

 

先日、受講した「医療労務コンサルタント研修」の中では、
人の医療の世界の勤務環境改善の歴史についても学びました。

2000年 を超えたあたりから
人の医療の世界でも過酷な労働環境が常態化して
それが医師や看護師の疲弊につながり、
  • ・離職
  • ・メンタル不調や過労死・自殺
  • ・それらに伴う訴訟
  • ・医療ミス

などが急増した時期がありました。
(「ありました」と過去形で書きましたが、
現在もそれらの問題が全て解消されたわけではありません)

特に平成15年から平成20年の間には
過労死や自殺で亡くなった医療関係者の遺族が
病院を訴え、損害賠償額が7000万円を超えるような
判決が複数出て、大きな社会問題にもなりました。

<参考 医療機関の労働事件判例>

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そのような流れを受けて、平成23年頃から、
国(厚労省)、都道府県、医師会、看護協会などが
本腰を入れて医療現場の勤務環境改善に取り組み、
少しずつ改善してきたという経緯があるのです。

 

このシリーズの第1回のブログでも触れた通り、
動物病院と人医療の業界は
人事労務的にも共通点が非常に多いです。

ということは、人医療の業界がたどった道を
今後動物病院業界もたどる可能性は大いにあるのです。

もちろん 「業界」という大きな話だけではなく、
当事者の病院にとって致命傷にもつながります。

過労死裁判の判例も決して他人事ではありません。
医療事故の訴訟よりも、
スタッフ(場合によってはそのご遺族)
からの訴訟の方が、
動物病院にとっては遥かに大きな
リスクだといって
過言ではないでしょう。


ワークライフバランスを整えることは
スタッフに向けたサービスではなく
自院のリスクヘッジにほかならないのです。

 

<できることからはじめるというスタンス>


ここまで動物病院にとってのワークライフバランス改善の重要性を
「好循環」と「悪循環」の視点から切々と訴えてきましたが、
多くの動物病院の院長先生は私に言われるまでもなく
「そりゃワークライフバランスを整えるに越したことはないよ」
とお考えだと思います。

しかしながら
  • ・情報ギャップ(何をすべきかわからない)
  • ・実行力ギャップ(人事労務に取り組む時間や人手が足りない)

に悩まれているケースが多いのではないでしょうか。

また院長先生からよくお伺いする話として、
身近な弁護士や社労士や行政に相談したところ、
到底実現できないような労働時間の短縮を指示されたり
過度に労働者目線にかたよった待遇改善を指示されたという
話があります。

そんなこともあり
「ワークライフバランス」の重要性はわかりつつも
なかなか着手できていないという院長先生も
多いのではないでしょうか。

 

私がコンサルティングの現場でよくお話しすることは
「できることからやりましょう」ということです。

・就業規則を作るのが難しければ雇用契約書から始めればいい。

・きちんとした評価制度を整えるのが難しければ
 定期的に面談をして院長先生の考えを伝えてあげたり
 悩みを聞いてあげるだけでもいい。

・労働時間をいきなり減らすのが難しければ
 業務のムダをスタッフ全員で探すことから始めてもいい。

気休めに聞こえるかもしれませんが、
スタッフはロボットではなく心のある人間ですので、
労働時間の長短や制度の有無だけではなく、
トップの姿勢や態度次第でモチベーションや帰属意識が
大きく変化するものです。
(ご自身が勤務医だったころを思い起こされると
スタッフの気持ちに少し近づけるかもしれません)

なのでぜひ、ワークライフバランスを難しく考えず、
「できること」をひとつでも探し、
行動に移していただければと思います。

また、私のような動物病院経営のサポートをする立場の者も
法律的にOKかNGかという杓子定規なアドバイスではなく、
その職場に応じた落としどころを見つけることを
肝に銘じていきたいと思います。

次回以降のブログでは
そのための具体的な手順や取組事例などについて
紹介していきたいと思います。

<おすすめの関連書籍>


◆井寄奈美『トラブルにならない「会社に有利な」ルールの作り方』



法律の原理原則について解説しながらも、
「人件費を抑えたい」という経営者側の現実にも寄り添っており、
経営者がさくっと読むのに適した書籍だと思います。
著者は社労士の先生です。

◆堀下和紀・穴井隆二・渡邉直貴・兵頭尚

『訴訟リスクを劇的にダウンさせる就業規則の考え方、作り方。』



社労士と弁護士の先生方による共著。
企業が従業員に訴えられ損害賠償などが発生した
いわゆる「負け裁判」の実例を取り上げながら、
その訴訟リスクを防ぐために何ができるかを
解説している書籍です。

残業代の問題、セクハラ・パワハラ、メンタルヘルス、
SNSトラブル、個人情報保護、研修費用、競業避止、解雇など
動物病院でも実際に相談が多いケースも多数収録されています。

 

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動物病院経営パートナー En-Jin 企業理念


1.院長先生の想いを推進する「エンジン」に
ノウハウや理屈を教えるだけではなく実務を推進。
「やりたいこと」を形にします。

2.動物病院のメンバーが「円陣」を組めるように
病院全体がイキイキと同じ方向に進めるよう、
スタッフマネジメントをサポートします。

3.動物病院に多くの出会いをもたらす「縁人」に
飼主様・スタッフ・外部専門家などとのご縁をつなぐ
架け橋になります。

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【シリーズ 動物病院のワークライフバランス】第2回 なぜワークライフバランス改善が必要か


  • カテゴリ:ブログで動物病院経営セミナー(ウチ向きの課題)

<「ワークライフバランス」という言葉がもつ印象は?>


「ワークライフバランス」という言葉があります。
この言葉を聞いて皆さんはどんな印象を受けますか?

本来、仕事(ワーク)と生活(ライフ)の
バランスを整えることは素晴らしいことなのですが、
経営者の皆様にとっては少し「耳の痛い」言葉かもしれません。

実は私もそうでした。

 

私は動物病院のコンサルタントになる前の
サラリーマン時代(鉄道会社の人事)を含めて、
経営者側の視点で仕事をすることが多かったため
「ワークライフバランス」と聞くと、
  • ・コンプライアンスを遵守をしなければならない
  • ・従業員の要望に応えなければならない
  • ・職場の不満を解決しければならない

といった「ねばならない」という感情がセットで想起されてしまい、
正直なところ、ワークライフバランスという言葉を
あまりポジティブに捉えられない時期がありました。

動物病院業界に限らず、
「ワークライフバランスを整えましょう」と言う言葉は
経営者にとっては、
ある種の「しんどさ」「わずらわしさ」を伴うことが
少なくないと思います。

そこで、今回はまず、
なぜ動物病院のワークライフバランス改善が必要か
という根本的な話からはじめたいと思います。

 

<ワークライフバランスを整えるのはなんのため?>

1 ワークライフバランスを整える


ワークライフバランスを整えるということは、
たとえばどういうことでしょうか?
  • ・勤務負担(労働時間)を適正化する
  • ・やりがいを感じられるように評価制度を整える
  • ・プライベートとの両立ができるようにする

などが挙げられますね。
これはすなわち「スタッフの待遇改善」です。

 

2 医療やサービスの質の向上


ワークライフバランスを整えると…
  • ・労働時間の適正化によりスタッフが業務により集中するようになりミスが減る
  • ・評価をすることでやりがいをもって働く
  • ・人材が定着し、ノウハウが蓄積され、教育・指導の質が向上する。

と、医療の質の向上につながります。

 

3 飼主様の満足度の向上


医療やサービスの質が向上すると…
  • ・飼主様の信頼を得て、より選ばれる病院になる
  • ・スタッフの定着率が上がり、飼主様とスタッフの関係が深まる

と、飼主様の満足度向上につながります。

 

4.経営の安定化


飼主様の満足度が向上すると…
  • ・売上や利益に良い影響が出る
  • ・新しい人の採用や、さらなる雇用環境の改善にお金をかける余裕ができる

と動物病院の経営自体が安定し、
さらにワークライフバランスを整えるための
余裕が生まれやすくなります。

 

これら「1」~「4」は一方通行ではなく、
下の図のように循環しています。

ワークライフバランスを整える目的は、
この好循環を作ることなのだと意識することが大切なのです。

 

好循環の図

 

「ワークライフバランスを整える」ということを
「スタッフの待遇を改善する」という面のみから見てしまうと、
病院の労働力が足りなくなったり、
人件費が余計にかかったりするという
ネガティブな面ばかりが懸念されてしまいがちです。

が、上の循環図が示すように
ワークライフバランスを整えることは
スタッフのみならず、飼主様のためでもあり
ひいては病院(経営者)のためだと考えると
その重要性が腑に落ちるのではないでしょうか。

 

「そんなにうまいこといくわけないじゃん」

「動物病院の現場がわかってないなー」

というツッコミが聞こえてきそうですね。

 

確かに上記の循環図のように
常にワークライフバランスの効果が理想的に
回るケースばかりではありません。
  • ・待遇改善したのにスタッフがあっさり辞めてしまった
  • ・評価制度を導入したけどスタッフが成長しない
  • ・人件費は増えたけど売上は減った

ということも当然に起こり得ます。

 

また私も多くの動物病院の現場を見てきましたので、
業務の性質上、動物病院でワークライフバランスを整える
というのが容易ではないことは承知しているつもりです。
  • ・病院の営業時間自体が長いので労働時間を短縮するのが難しい
  • ・シフト制を組むほど人件費に余裕はない
  • ・仕事と勉強の境目が曖昧。そして勉強しないと成長できない。
  • ・動物の命をほうっておくわけはいかない(応召義務)

というのが、多くの動物病院の(院長先生の)切なる声だと思います。

しかしそれでもなお、私は
「できることからでいいので
ワークライフバランス改善に取り組みましょう」
というスタンスをとっています。

それは次に述べるような悲惨な事態を避けるためです。

 

<ワークライフバランスを無視するとどうなる?>

1 ワークライフバランスを無視する


動物病院に限らず、
ワークライフバランスを無視すると
スタッフは以下のようになります。
  • ・労働時間に歯止めがかからなくなり心身に支障が生じる
  • ・仕事にやりがいを感じられなくなる
  • ・職場に対する帰属意識が低下する

2.医療やサービスの質の低下


そうすると…
  • ・疲弊した獣医師や看護師がミスをする
  • ・飼主様に対する接遇なども低下する
  • ・人が定着しないのでノウハウが蓄積されない
  • ・たえず新人教育をしているような状態になる

という形で医療の質が低下します。

 

3.飼主様の満足度の低下


医療の質が低下すると当然のことながら…
  • ・飼主様の満足度が低下する
  • ・スタッフと飼主様の関係も深まることがない

という事態につながります。

 

4.経営が不安定に


飼主様の満足度の低下はすなわち
  • ・売上や利益の低下

につながり、経営を直接的に圧迫します。

また人材が定着しないことによって
常に採用・求人・教育のために費用を
かけなくてはならない状態になってしまいます。

当然ワークライフバランス改善のために
お金をかける余裕もなくなります。

 

まさに以下の図のような悪循環、
負のスパイラルができあがってしまうのです。

 

悪循環の図

 

この話に耳が痛いという先生も多いと思いますが
ワークライフバランスの重要性を説明するために
あえて書かせていただきました。

というのも、実は上述した悪循環というのは
人の医療業界が過去経験してきた道に
ほかならないからです。

詳しくは次回のブログで触れていきたいと思います。
引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。

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動物病院経営パートナー En-Jin 企業理念


1.院長先生の想いを推進する「エンジン」に
ノウハウや理屈を教えるだけではなく実務を推進。
「やりたいこと」を形にします。

2.動物病院のメンバーが「円陣」を組めるように
病院全体がイキイキと同じ方向に進めるよう、
スタッフマネジメントをサポートします。

3.動物病院に多くの出会いをもたらす「縁人」に
飼主様・スタッフ・外部専門家などとのご縁をつなぐ
架け橋になります。

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